<旅1~2日目・1994年6月3~4日目>
名古屋駅ー(ドリーム名古屋2号)-東京駅ー(特急さざなみ1号)-館山…(バス)…洲の崎灯台…(バス)…南房パラダイス…(バス)…野島崎灯台…(バス)…館山ー(普通)-安房鴨川ー(特急ビューわかしお22号)…茂原<泊>
<旅3日目・1994年6月5日>
茂原ー大網…(バス)…九十九里浜…(バス)…大網ー(普通)-千葉ー(総武快速)-東京駅…(超特急東名ライナー)…名古屋駅
社会人になって初めての旅。6月上旬の週末、房総半島一周の旅に出た。金曜の夜、仕事終一旦家に帰ってから再び名古屋駅に戻ってバスターミナルから東京行きの高速バスに乗っての旅立ちであった。いつもは夜行列車ばかりなので、趣向を変えて周遊券で乗れる夜行バスでの旅となった。帰路は昼行の高速バスを利用した。
東京駅行きの夜行高速バス、ドリーム名古屋2号は週末とあって2台での運行となった。ダブルデッカーのJR東海バス。僕は2階席の窓側、先頭から3列目の席だった。座席にはオーディオサービスがあり音楽を聴いていた。40分ほどで名古屋インターへ。ここから東名高速に入る。深夜の高速道、さすがに車はまばらだった。浜松サービスエリアで一服。すぐ後ろに2号車もやってきた。やはり僕は神経質な体質からか夜行では列車だろうがバスだろうが寝れない。
しかもこの時は時期的に鼻炎がピークに達していて、けっこう辛い旅となってしまった。
時は最も日が長い6月。4時ごろ神奈川県あたりでうっすらと夜が明けてきた。やがて東名高速から首都高速に入りビルが立ち並ぶ東京都内に突入、東海道線で行くより、いかにも”東京にやってきた”感があった。渋谷のスクランブル交差点の上を通過していよいよ東京駅へのラストスパート。皇居のお堀の横を通り、銀座から一般道へ。到着予定時刻5時50分よりやや早めに東京駅八重洲口に到着した。
東京駅八重洲口に到着した東名高速バス「ドリーム号」2台。
東京駅からは京葉線の特急さざなみ1号に乗車予定。すでに指定は押さえている。京葉線は初乗車。総武線地下ホームは近いが、京葉線地下ホームはかなり歩く。15分ぐらい、動く歩道を歩きながらたどり着いた。さざなみ1号は6時30分の発車。30分ほどホームのベンチで待つ。15分ほど前にさざなみ1号館山行きが入線。183系幕張運転所の9両編成。ほんとに9両もいるのか?と思わせるほど空いていた。これなら指定をとる意味もなかったか。
183系の座席も昔ながらの転換式クロスシート。まさに国鉄色がそのまま残っている電車だった。発車。暫くは地下を走る。特急車両が地下を行くのもレア感があっていい。地元ではまずお目にかかれない。新木場から地上に出る。この日は見事な快晴。臨海地域を東京湾を見ながら疾走する。ほどなく右手に東京ディズニーリゾートが見えてくる。蘇我まで東京湾を見ながら行く。蘇我から内房線へ。暫くは東京湾とはお別れ。久留里線と接続する木更津に着く。ここからは内房線の見どころ。再度東京湾が姿を現す。さざなみ1号は東京駅から孤を描くように館山へと向かう。このあたりは北海道の室蘭本線、函館本線の形態とよく似ている。直線距離だと東京から館山までは近い。遠回りしているから乗車券+特急料金が無駄に思える。そんなこと考えるのは自分くらいか。木更津から館山まではカーブが多くスピードも出ない。まさに「にわか特急」という雰囲気で東京から約2時間、8時35分ごろに終着、館山に着いた。
館山に到着した183系特急さざなみ1号。
ミニ周遊券はJRバスも当然利用できる。これをを利用しなくては元がとれないと思い、まずは駅前からバスに乗って洲の崎灯台を目指す。20分ぐらいだったか。バス停を降りると灯台が見えてきた。正直23年も大昔の記憶。灯台が立ち入り禁止だったか、上った記憶はまったくない。なんか味気ない場所だった記憶が・・・
洲の崎灯台
たぶん灯台をこの写真を撮った場所から眺めただけですぐにバス停に引き返したと思う。今度はまたバスに乗って南房パラダイスに行く。園内は亜熱帯植物園などがありけっこう楽しめたと思う。
園内の展望台から太平洋を一望。天気が良くて最高の眺めだった。
南房パラダイスを後にして、再びバスに乗り房総半島最南端の野島崎へ行く。バスを下車して近くにあった喫茶店に入りランチ。15分ほど歩いて野島崎灯台へ行く。洲の崎灯台は登れなかったが、野島崎灯台は間違いなく登った。写真が残っているから間違いない。灯台付近は海岸が迫っており、この日は土曜日とあって観光客が海を楽しんでいた。
野島崎灯台
灯台から一望する太平洋、南房の海。見事だ。
野島崎の海岸。岩礁海岸。観光客が多く散歩していた。
野島崎を充分に堪能し、再び館山駅に戻るためバスに乗車。安房鴨川駅に行ったほうが効率いいが最たる目的は乗りつぶしなので館山駅に戻りこの日の宿泊地である茂原へ。
館山駅からは普通列車で安房鴨川まで行く。113系スカ色。車内はほどよく空いていた。千倉からはほぼ海岸沿いを走る。40分ほどで安房鴨川に着く。
安房鴨川から外房線に変わる。特急ビューわかしお22号、東京行きに乗車し宿泊地である茂原まで。1時間ほどの乗車。「ビューわかしお22号」はこの前年デビューした新型特急電車255系。茂原までの自由席特急券を購入。ミニ周遊券なので特急乗車の場合は特急券は別払いとなる。
安房鴨川で発車を待つ新型255系「特急ビューわかしお22号」東京行き。最後尾の自由席車に乗車。
茂原まで1時間の乗車だったが、やはり新型電車はいい。館山まで乗車してきた「さざなみ」の183系に比べたら居住性の違いは歴然としていた。
新車特有の匂いも良かった。いすみ鉄道が接続する大原までは海が見えたりトンネルに入って見えなかったり…を繰り返し速度もノロノロ走る感じだったが大原からは内陸部を走行。東京から近い千葉県のこのあたりにもこうしたのどかな自然の風景があるんだなあと感じた。
18時半過ぎに茂原着。予約していた「ホテルニュー福本」にチェックイン。
6月5日、日曜日。明日はもちろん仕事。今日中に帰還する。茂原から普通列車で大網まで。この駅からバスに乗って九十九里浜を見に行った。バスで延々と田んぼばかりの風景を走ってやがて海岸に出てバスを降車。
この日は前日の快晴を違って曇り空。犬吠埼までずっと続く九十九里浜。サーファーがぼちぼちといた。
大網駅にバスで戻る。ここから普通列車で千葉まで。総武快速に乗り換えて東京駅に着く。この時代、総武快速もまだスカ色の113系電車だった。今思うと時代だなあと感じる。
東京駅でちょうどお昼時。駅構内にカレー店に入ってカレーを食った。
行きは夜行高速バスで来たので、帰りは昼行高速バス「超特急東名ライナー」に乗車。東京駅から周遊券利用でバス乗車はこの2年前の南東北旅以来。その時は普通の特急バスだったが、今回はワンランクアップして超特急。使用バス車両も行きのドリーム号と同じダブルデッカーのデラックス車両だった。僕は最前列に乗車し、東名高速の前面展望を独り占めにして堪能しきった。帰りは千種駅で下車した。18時ごろ千種駅でバスを降りたら、数人組もお姉さんに声をかけられた。「私たちと一緒に食事とか?」・・・「えっ~?? なんで俺なんかを・・・」あまりに見た目マジメそうだからお金でも取ろうかというひっかけだったのかなあ? 驚いた僕は即座に断った。女性からまず声なんか掛けられない僕。今思ってもなんだったのだろう?と思う。旅のラストに予期せぬハプニングがあった社会人になって初めての旅であった。
~完~