<旅1~2日目・2011年9月2~3日>
名古屋000(遅れ)-(9390M快速MLながら)-1008(遅れ)東京1117-(1069F快速エアポート成田)-1243成田空港1300-(4368F快速エアポート成田)-1311成田1404-(1537M)-1456鹿島神宮(鹿島神宮参拝)1620-(172D)-1738水戸1800-(1446M)-1845土浦<泊BHトキワ>
2011年青春18きっぷの旅、残り2回分は今度も首都圏の未乗区間の乗りつぶしに行くことにした。今回の乗りつぶし対象は久留里線、東金線、成田空港支線、鹿島線、京葉線(二俣、高谷支線)。以上5線区の乗りつぶしをターゲットとした。しかし、運の悪いことに超大型台風12号の直撃の影響をモロに受けることになってしまい、大幅な行程変更を余儀なくされてしまったほろ苦い思い出の旅となってしまった。
旅立つ前、9月2日金曜日。台風で指定券をゲットしていた臨時快速「ムーンライトながら」号の運休が心配だったので仕事に昼休中にJR東海の列車運行情報ダイヤルに確認していた。昼に電話したときは運行予定のこと。夕方18時半帰宅頃にも再度電話したら運休の情報は出ていないとの返事。台風がまともに来るのに強行運行するのか?運行したとしても途中で運転打ち切りにならないか?帰宅後もTVの台風情報をずっと見ていた。
21時ごろ家を出て22時ごろに名古屋駅に着き、いつも「MLながら」に乗るときのように日付が変わって最初の駅までの切符を券売機で買う。2009年の改正から本家の373系で運転される「ながら」がなくなり、もともと臨時便の92号だった東日本の田町区の189系を使用している便だけが残った。しかも、18きっぷ客以外は完全に締め出してしまうダイヤに。つまり停車駅の厳選、いかにも18きっぱー専用に設定されている列車と化した。
よって名古屋を出たら豊橋までとまらないダイヤになってしまった。以前は刈谷が日付変わって最初に停まる駅だったので刈谷までの切符(400円)で良かったが豊橋まで1280円の費となってしまった。なので名古屋から「ながら」に乗らず、名鉄で豊橋まで行った方が少しは安くなるのでそうする18きっぱーの多くなったと言われる。
30分ほど前にホームに上がる。案内放送でながらは定刻通りに名古屋駅には到着予定だが発車は20分ほど遅れて0時ジャストのこと。台風で慎重に慎重を期しているのだろう。なにはともあれ運休にならなくてよかった。でもちゃんと東京までたどり着けるだろうか?僕の鉄旅史上、最大のピンチなのかも?と胸中は穏やかではなかった。
いつものように今回も眠剤を飲んで「ながら」の入線を待った。「ながら」乗車は2006年7月以来5年ぶりだったので楽しみにしていたのに、台風にバッティングとはなんとも運がない。23時37分ごろ臨時快速「ムーンライトながら」号が入線してきた。今回指定された座席は2号車5番D席だった。
発車は20分遅れで0時ジャストの予定。それまで車内で待つ。
「ムーンライトながら 東京行き」のサボ。これを見ると「旅に出るんだなあ」という気分に浸れる。
0時になりようやく発車。外は台風が近づいていて風が強くなっている。案内放送が流れた「この列車は臨時快速ムーンライトながら号、東京行きです。全車指定席となっております。本日の指定券はすべて売り切れとなっております。指定券をお持ちになっていないお客様はご乗車できません…夜行列車なので盗難防止のため貴重品は身に着けてお休みください」 おなじみの放送だが僕が心配なのは運転打ち切りにならないか?ということ。名古屋を出てから15分ぐらいはいつもと変わらず順調に飛ばしていたので「これはなんとかなるかな?」と前向きな気持ちになった。でもある駅に急に停車した。共和の駅だった。しばらく止まったまま。1時間は止まっていたか?やっと動きだした。いけるか!と期待したがまた20分ほど走ってどこかの駅で停止。どうやら岡崎を過ぎて幸田の駅だった。この駅で再度止まったまま今度はまったく動かない。台風がいよいよ接近中かどこかに上陸したか?後から紀伊半島に上陸したとわかったが… 結局動き出したのは3時間後ぐらいだった。あたりは薄明るくなってきていた。もうこれは行程どうりには「いかないな、行程変更しなくてはならないなと思った。豊橋に着いたのが5時頃。順調なら東京に着いている時間だった。まさに「ムーンライト豊橋」になってしまった。下りの「ながら」も遅れながらも豊橋に着いていた。この上りよりはマシでいいなあと思った。
豊橋でも30分程度の停車。台風が来ると豊橋のあたりは一番影響を受けやすい。しかし快速で50分の距離を5時間かかるとは…まあ、貴重な経験をしたといえばそれまでだが… 浜松へは6時半ごろの着。ここでも30分程度停車する。さすがにこのまま東京に着いたのではかなりの遅れになるだろうと思ったまで僕は真剣に時刻表を取り出して、行程変更を試みた。いろいろ考えた。でも土浦の宿はとってあるのでそれは変えられない。本来定刻に東京駅に着いたら始発の総武快速で木更津。そこから初の久留里線乗車で上総亀山まで行き折り返して蘇我、大網から東金線に乗って成東、佐倉経由で成田空港…という行程だった。でもこういうアクシデントに遭遇したからには前半部分、つまり久留里線、東金線は諦めざるを得ない。よって快速エアポートで東京から直接、成田空港へ行きその後の行程は変更せず鹿島線に乗って鹿島神宮を参拝、鹿島臨海鉄道に乗って水戸、常磐線で土浦で泊まるという経路に変更した。久留里線と東金線は次の機会にまたということで割り切ることにした。それにしても、明るい時間帯に往年の国鉄型特急車両で東海道線を行く。こんな経験を現代に出来る…台風という天災のアクシデントで乗る予定の路線に乗れないのは残念だったけど、こうしたとても「貴重な体験」ができたのはアクシデントのおかげとも言える。いやあ、長年鉄旅をしていてもこの旅は最大の大幅な行程変更の旅だったな。
何時に東京駅に着くのか… 案内放送ではどうやら10時を過ぎるらしい。横浜に着いたときはすでに通勤時間帯を過ぎていて、東海道線のE231系電車と並走したりこれもまた貴重な体験となった。ホームの人も見慣れないこの電車を怪訝そうに?見ていたような気がした(笑)。名古屋から10時間以上かけて10時08分、ようやく長~い旅を終えて東京駅にたどり着いた。ああ、もう疲れすぎて感覚がないぐらい。ホームに降り立ったらフラフラだった。
貴重な体験だったけど、本音はアクシデントなく来れたほうがいいに決まっている。
10時間の乗車を終えて、午前10時08分やっとのことで東京駅に到着した「ムーンライトながら」。お疲れ様。
疲れたのでしばしの休憩をしないと身体がもたない。1時間以上の待機で11時17分発の快速「エアポート」に乗車する。東京駅構内のニューデリーで弁当を買って総武快速のグリーン車内で食うことにした。券売機で成田空港までの普通列車グリーン券750円を購入する。長時間乗車の疲れをとるため総武線地下ホームのベンチで休む。快速「エアポート」入線前に特急「成田エクスプレス」がやってきたので写真を撮った。新型特急電車E259系。
そして乗車するE217系電車快速「エアポート」が入線してきた。グリーン車の階上席に乗る。5分待って11時17分に発車した。
新日本橋、馬喰町と少しの間だけ地下を走りすぐに地上に出た。天気は薄曇り。日差しもあるのでまず雨の心配はなかろう。階上席だとなぜか総武快速のスピード感はあまり感じない。プラス750円で1時間半近くの道中、グリーン車で快適に移動できるのだから18きっぷの旅を快適にするためにも価値がある。18シーズンに首都圏に来るとそれなりの時間乗車するならばよくグリーン車に乗っていた。グリーン車にグリーン券を持たずに乗車したお客
さんに車掌さんがけっこうきつい口調で言っていた。まあ、普段電車に乗らない人なら追加料金なしで乗れてしまうと勘違いしてしまうのは仕方ないか。階上席からすれ違う電車の屋根が次々と見られる。なんか上から目線そのものみたいだ。僕は劣等感の塊のような人間なので決して他人に上から目線にはならないけど… 千葉から左へと進路をとる。四街道あたりまでは住宅の多い地域をいく。そこから成田までは一気に田舎の風景の車窓をなる。成田を出て京成電鉄と並行する成田空港支線へと入っていく。成田空港への一直線の線路をスイスイとラストスパートをかけるが、隣から京成AE形「ニュースカイライナー」が急にあらわれて凄いスピードで一気に追い抜いていた。12時43分、成田空港に着いた。
来た電車で17分後の13時ちょうどに折り返す。今度は普通車の先頭車両に乗った。付属編成なのでオールロングシート車である。11分で成田に着き下車。次のターゲットは佐原~鹿島神宮間の鹿島線である。こういう支線などは乗りつぶしで実に面倒である。学生の頃はほとんど見向きもしなかったが全線乗りつぶしを目指すのであれば避けて通れない。一般人からしたらなぜそこにこだわるのは理解に苦しむことだろう。鹿島神宮行きの1537Mまでは1時間弱ある。前回降り立ったのはこの旅の6年半前の2005年3月。当時は成田山参りをしたけど今回は行くには時間が微妙に足りない。せっかく来たのだから成田さんに行きたい気持ちも出てきたがやめて駅隣にあった喫茶店でアイスコーヒーを注文して一服した。店内にいた若いにーちゃんに間違えて声かけて「アイスコーヒーください」と言ってしまった(笑)。そしたらにーちゃんが「俺、店員じゃないから」と言った。たぶん常連客でマスターと仲良くしてたので店員っぽく見えたので間違えるのも仕方なかったと思う(笑)。これも旅先だからこそのちょっとした出来事。さて、発車時刻がせまってきたので改札を抜けて成田線下りホームへ行く。特急「成田エクスプレス」が猛スピードで駆け抜けていった。14時04分発の鹿島神宮行きは209系電車。もとは京浜東北線で活躍していた電車をリニューアルしたものだけど、やっぱ千葉県内のローカル線を走るのは似合わない。この数日前8月いっぱいで千葉県内から伝統のスカ色113系電車が完全引退したばかりだったこともあってどうも違和感が拭えない。
成田駅から乗車した鹿島神宮行き1537M。209系4両編成。
成田線を乗るのもやはり6年半ぶり。この日は台風の影響で強風に見舞われた。佐原までは水田が広がる風景を行き初乗りの鹿島線へ入った。わずかな区間でも未乗線区を初乗りするのは新鮮な気分だ。少しでも白地図が塗りつぶされていく嬉しさは乗りつぶしの醍醐味である。強風にあおられないか利根川の長い橋梁を渡るときは少し怖かった。電車は慎重に徐行運転をしていたがそれでも車体が揺れる感じで危ないなと思った。徐行のため数分遅れて鹿島神宮駅に到着。14時56分着。これで鹿島線を乗りつぶした。
利根川を渡る。かなり川幅が広く、強風で徐行運転するが少々怖さを感じた。
こちらは利根川じゃなくて北浦だったか?
鹿島神宮到着。これから関東随一のパワースポットである鹿島神宮を参拝する。
駅を出て坂道をあがっていき数分で鹿島神宮の入り口に着く。ここから奥社まで10分ほど歩く。
鹿島神宮は全国に数ある鹿島神社の総本社であり、関東最古の神社でもある。香取神宮とともにこの地域全体の守護神となっており全国からの参拝客も多い。「勝利の神様」タケミカヅチ神のご神気が息づくパワースポットとなっている。
朱塗りの華麗な「楼門」。ここをくぐりぬけると右手に拝殿・本殿がある。写真撮影を忘れたw
大鳥居から奥宮へ一直線に続く奥参道。両脇に杉木立が生い茂りいかにも奥宮へと導かれる神秘的な参道だった。
そして奥宮へとたどり着いた。タケミカヅチ神の「荒魂」へと向かう道。目標に向かう気持ちを後押して、勝負に勝つ決断力・行動力などに勢いを付けてくれるそうだ。まあ、四十路の冴えない負け組の中年の僕には人生の勝負はすでに決したもので何のご利益もないだろうけど一応何かの力は貰えるかなと思い祈った。少しは生活環境が良くならないかなと。這いあがれないのはわかっているけどw
奥宮からさらに降りていくと、霊泉の湧く清らかな泉・御手洗池がある。その名のとおり昔はここで手洗いをして心身を清めてから参拝をしていたそうだ。ここで僕は手洗いもしたけど洗面にいった。そしたら鏡を見たら髭は濃く夜行で一晩そらないとこんあことになるのか~??と自分の醜態を見て恥じたことをよく覚えている。45分ほどで鹿島神宮を後にして再び鹿島神宮駅へと戻る。この日の宿泊地は土浦のビジホ。鹿島臨海鉄道に乗車して水戸回りで土浦まで行く。直線距離だと近いんだけど、そこは遠回りで目的地まで行くのも「乗り鉄」ならではの旅の仕方でもある。
鹿島臨海鉄道はJRでない第三セクター鉄道なので当然18きっぷでは乗れないので駅の券売機で水戸までの切符1570円を購入する。JRでないので乗りつぶし対象ではないけど初乗車路線なので当然のように僕はテンションあがった。水戸行き172Dは2両編成の6000形ディーゼルカー。すでにエンジン音を響かせてホームで発車を待っていた。車内は転換クロスシートが並んでいた。乗客は僕のほかには1~2人いただけだった。
鹿島臨海鉄道はもともとは貨物輸送専用鉄道であったが1984年に北鹿島駅(現在の鹿島サッカースタジアム駅)以北を旅客営業化することになった第三セクター鉄道路線である。よってよく間違えられるが鹿島神宮駅~鹿島サッカースタジアム駅(臨時駅)まではJR鹿島線、サッカースタジアム駅~水戸駅間53.0キロが鹿島臨海鉄道鹿島線である。
16時20分、水戸行き172Dは数人の乗客を乗せて発車した。臨時駅の鹿島サッカースタジアム駅を通過。知ってのとおりこの駅はサッカー開催日のみに停車する臨時駅である。ここからJR鹿島線から臨海鉄道鹿島線に乗り入れる。鹿島灘付近に沿って走るんので海が見えるかと期待していたけど、実際は少し離れた内陸部を走行するので太平洋はまったく見られなかった。それにしても列車はゆっくりとした速度でノロノロと走る。新鉾田に着く。多少の乗降はあったがそれでも車内は空いている。淡々と水田風景を走る。実にのどかな風景。茨城の田舎を実感する。左窓に涸沼が見えてきた。思わずカメラのシャッターをきった。
大洗海岸で有名な大洗に到着。ここで多くが下車し乗ってくる客も多かった。鹿島線の需要は大洗~水戸間に多くウェイトを占めているのではないか。
17時38分、終点の水戸に到着した。ここで常磐線に乗り換えて土浦まで行く。
18時ちょうど発の常磐線上野行き1446Mに乗車。勝田発だがすでに座席は8割程度は埋まっている。なんとかボックスの通路側に座れた。初めて乗るE531系電車。E231系電車の交直両用版の電車で内装はシート色の違いぐらいでE231系とあまり変わらない。あたりはすっかり日が暮れた。夜間走行もあるのだろうけど、やたらと速く感じた。おそらくさっきまで乗ってきた鹿島臨海鉄道の列車のスピードが遅かったので余計に速く感じられたのだろう。45分の乗車で土浦に着く。18時45分着。
土浦駅に着いた常磐線1446M、E531系電車。なかなか快適だった。
駅東口を出て、予約しておいた「BHトキワ」へと向かう。徒歩5~6分ですぐに見つかった。霞ヶ浦沿いにある穴場の宿。ここも前回八王子で泊まった宿と同じく庶民的な個人経営のホテルだった。やはりチェーンよりもこうした小さなホテルのほうが家族的雰囲気が感じられて旅人にとっては嬉しい。
フロントの人を少し雑談。風呂なし部屋を予約したのだが、予定で風呂ありの部屋に変更のこと。これは有難かった。あとは台風で大変でしたねとか無事に時間どおりにチェックインできてよかったとかいう話をした。こういう会話があると旅の緊張が解き放たれて和むので嬉しい。この宿にして良かったと思う。やはり楽天トラベルで予約すると良い宿に当たるなと思った。部屋からは霞ヶ浦を渡る常磐線の電車なども見れて楽しめた。
廊下には漫画なども置いてあって気軽にくつろげるような工夫が凝らしてあって良い宿だった。(翌朝撮影)
明日は京葉線の支線(二俣、高谷)を乗りつぶす目的があるので、少し寄り道しながら帰還する予定だ。